
「20代でベンチャーを経験すると急成長できるよ」
就職や転職をする際にこんなことを言われた方は少なくないのではないでしょうか?
「でも、成長できるって言われてもその成長って自分が求める物かどうかはわからない」
「漠然としすぎてなぜ成長できると言われているのかがわからない」
「勢いでベンチャーに入社して後悔した人の話を多く聞いてしまった」
こんな方は多いと思います。
転職エージェントとして数多くの企業人事と話をし、数多くの転職希望者を見ている中で20代でベンチャーに入社している人もこれまで多く見ています。
ベンチャーへの入社を心理的に誘導するメリットも僕にはありませんし、あくまで客観的な視点から20代のうちにベンチャーで働くことは果たして成長に繋がるのかどうかを見てみましょう!
結論、20代でベンチャーを経験すると成長できる
結論からお話すると20代でベンチャーを経験すると大抵成長することができます。
しかし、成長と言っても人それぞれの定義もあると思いますし、何をもって成長とするのかをはっきりとさせる必要があります。
そこでまず、会社での成長を語るうえで欠かせない3つの要素があります。
- 仕事の範囲
- 挑戦の許容
- 適応力
仕事の範囲
まず1つ目は仕事の範囲です。わかりやすくテレアポを例に出しましょう!入社してから3年間ずっと受電のみでこちらから架電しない営業と入社後すぐに受電も架電も行っている人では後者の方が営業としての提案力や営業力はつきますよね。
仕事の範囲は成長を語るうえで欠かすことはできません。
よく「ここ数年仕事内容が変わらず面白くない」と転職する人が多いですが、その理由がまさにこれです。
この仕事に範囲に関しては大企業のほうが狭くなる傾向にあります。
社員が多い分役割分担がはっきりしており、縦割りで業務が割り振られることが多いためです。
狭くなると専門性が高くなるため、「営業としてインサイドセールスを極めたい」「エンジニアとして開発に力を入れたい」など具体的な目標を持っている方は狭い役割の方が自分にとってより良い選択になると思います。
しかし、そこまで落とし込んだ目標を持っていない場合は自らの可能性をただ狭めるだけのため、ベンチャーのように縦割りではなくその人の実力や意見次第で多くの仕事を任せられる環境のほうが自分ができるようになる仕事の範囲も広くなり、結果として成長に繋がるでしょう。
もちろん会社によりけりとはなりますが、ベンチャーの場合は何か1つを極めるというよりはマルチタスクが当たり前の環境ですし、結果を出せばより難しい仕事を任せてもらえることもあります。
何かを極めるよりは多くの仕事を経験しながら自分に何が合っているのかを見たい、その中で徐々に方向性を決めていきたい、ビジネス戦闘力を上げたいと考えている方にはこの仕事の範囲は魅力的な成長要素になるでしょう。
挑戦の許容
会社での大きな挑戦は時として事業を良くも悪くも大きく動かす可能性があります。
たいていの場合、そのような決断は上位者によって行われることが多いですが、この失敗をどこまで許容してくれるのかによって挑戦の数が決定してしまいます。
大企業の場合はマニュアルが存在することが多く、失敗しないようにメンターなど教育者がはじめはつき、確実に仕事をこなせるように教えられます。
その分安定した仕事ができますし、時として仕事に必要なスキルが効率よく身につきます。
一方でベンチャーの場合はマニュアルがなく、大抵OJTで現場に入りながら仕事を覚えていく形となるため、入社してしばらくは手探りで失敗をしながら進めていくでしょう。
要は「教育体制や社内環境が整いきっていないため失敗しても仕方がない」というスタンスなのです。
人間は丁寧に教えてもらった方が早くものを覚えることもありますが、一度失敗したことは大きく反省するため繰り返しにくいです。
子供の頃に危ないことをして怪我をした経験は誰もが持っていると思いますが、その後同じことをして同じく怪我をしたことは無いと思います。
そのため本来であれば失敗を繰り返すことで多くの事を覚え、時間が経っても忘れないようにする必要がありますがベンチャーの場合は環境的に失敗が当たり前なので良く多くの事をより早い時間で得ることが可能です。
適応力
今の会社を明日退職しても今まで通り生きていけるかどうか、考えたことはありますか?
今の社会において適応力ほど大事なものはありません。
昔でいう大企業で働けば一生安泰、なんてことは今となっては夢物語です。
大企業も当然優秀な人材が欲しいですし、会社にとって不利益な人材は切り捨てたいと思うのが普通です。
会社があっという間につぶれることは考えにくいですが、事業が上手くいかなくなった際に大規模なリストラが行われることは決して珍しくはないです。
そんな時に適応力をこれまで養えなかった方は会社の看板が外れた途端に1円も稼ぐことができないビジネスマンへと変貌してしまうのです。
大企業では決められたことを確実に実行する仕事が多いため、専門性は高くつくかもしれないですが、それはもしかするとその会社でしか通用しない力かもしれません。
ベンチャーでは環境の変化は当たり前です。
事業の立ち上げもしょっちゅう行われるでしょうし、今走っている事業を大きく方向転換することもあるでしょう。
そこで身につくのはその変化に対応するための適応力です。
もしかすると複数の職種を経験することもあるかもしれませんし、時には事業の立ち上げを手伝うこともあるかもしれません。
今後、仕事を考える際にこの適応力は必ず大切になってきます。
ここについては別途の記事で詳しく書きたいと思いますのでご興味をお持ちの方は是非執筆後にお読みください。
ただし、大企業だから成長できない、なんてことはありません
ここまで読んだ方はもしかすると大企業では成長の機会が極端に少ないと感じたのではないでしょうか?
大前提、そんなことはありません!
文中でもお話した通り、大企業では役割が縦割りになっていることが多いです。
その分専門性を養うのにはいい環境ですし、何より教育体制が整っていることが多いため現場に入ってから仕事を覚えるまでのスピードに関しては早くなりやすいため人によってはベストな選択になり得ます。
また、営業であれば既に関係性の出来上がった大きな取引先と仕事ができる可能性もありますし、エンジニアであればCMで紹介されているような製品の開発に携わることもできるかもしれません。
要は上記で述べた3つの要素をもって「成長」と捉える、という考え方に共感できる方にとってはベンチャーは成長できる環境だと思います。
これから就活や転職活動を行うことを検討している方は自分が一体何を大事にしているのかをもう一度考えていただき、考えた結果「こんな成長が欲しい!」となった方は是非ベンチャーを次の仕事先の1つとして検討してください。
【まとめ】20代でのベンチャー経験は確実に成長への繋がる
いかがでしたか?
20代でベンチャーに挑戦したいと考えている社会人や学生の方は多いと思います。
しかし、なぜベンチャーなんだろう、を考えた際に成長したいからと考えることはあると思いますし、本当に成長できるのかどうかは知りたいことだと思います。
今後も人事の裏側を知る人材営業経験者として役に立つ情報の発信を行っていきたいと思います。
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